動物は人間が決めたルールの中で生きていかなくてはならず、ましてや言葉が喋れないのです。

 健康で安全に生活できるように、環境を整えてあげられるのは飼い主のあなただけです。決して虐待したり、捨てたりするようなことがあってはなりません。

動物を飼うときの二つの責任

<動物に対する責任>

 動物は、言葉がしゃべれず行動も制限されており、自分で出来ることは限られます。健康な生活を送れるよう、環境を整えてやれるのは飼い主だけです。動物を虐待したり、捨てたりするような事があってはなりません。

<社会に対する責任>

 動物が人間社会の中で生きていくには、飼い主として法律を守ることはもとより、その動物が人に迷惑を掛けないよう、飼い主が責任を持って面倒をみなければなりません。

平成25年9月1日より「改正動物愛護管理法」が施行されました。

それにより、飼い主が、その動物が命を終えるまで適切に飼養する、「終生飼養」の責任が法律上明確にされました。

  • 飼い主には、終生飼養の責任があります。最後まで愛情と責任を持って飼いましょう。
  • 自らの病気などによりどうしても飼えなくなった場合には、自分で新たな飼い主を探す、動物愛護団体に相談する等して、譲渡先を見つけるようにしましょう。
  • 殺傷・遺棄については犯罪です。(みだりな殺傷:200万円以下の罰金等 遺棄:100万円以下の罰金)。絶対に傷つけたり捨てたりしてはいけません。

    上記のような場面を見かけたら、すぐに警察署か交番へ通報してください。更に、現場写真を撮っておくことも有効です。

  • みだりに給餌や給水をやめたり、酷使したり、病気やけがの状態で放置したり、ふん尿が堆積するなどの不衛生な場所で飼ったりする等の行為は「虐待」です。動物を虐待することは犯罪です(100万円以下の罰金)。

    動物の虐待については、保健所までご相談ください。

  • 10匹以上の犬猫を飼う場合は、保健所への届け出が必要となります。

犬を飼っている人へ

 散歩に出掛けるときは、飼い犬のふんや尿は、できるだけ自宅敷地内で済ませましょう。散歩には、ペットボトルなどに水を入れて持ち歩き、やむを得ず道路で尿をしてしまった場合は、水で流しましょう。ふんをしてしまった場合は飼い主が責任をもって持ち帰るのは当然で、放置したり自宅以外の場所に埋めたりすること等は許されません。これらは飼い主としての最低限のマナーではないでしょうか。

 

猫を飼っている人へ

 猫にとって家屋の外は、伝染病や交通事故などの危険でいっぱいです。できるだけ家の中で飼ってください。家の中でもストレスはたまりません。また、万が一外に出てしまった場合を考え、住所・電話番号などを記載した伸縮性のある首輪等を着けましょう。そして望まない妊娠、繁殖を避けるため、避妊、去勢手術を受けさせましょう。

 

ノラ猫に餌を与えている人へ

 ノラ猫は餌場に集まり、周辺で生活しながら出産する為、飼い主のいない仔猫がどんどん増えます。そして最終的には交通事故や伝染病で死亡したり、保健所でやむを得ず安楽死処置されたりします。避妊去勢手術のされていない猫が外で生活する以上、妊娠、出産は避けられません。猫は繁殖力が強く、1回に4~5匹の仔猫を産み、健康であれば1年に2回以上の出産が可能です。
 ノラ猫を「かわいそう」と思い、猫を助けるつもりでも、ただ餌を与えるだけという行為は不幸な猫を増やすだけでなく近所迷惑の原因も増やし続けることになってしまいます。
 餌を与えるという事は、飼育しているという事。その猫のふんや尿、産まれた仔猫の事も最後まで責任を持つ必要があります。
 ノラ猫を増やしてしまったのは人間です。増え過ぎた猫の多くはその寿命を全うすることなく死んでいってしまいます。猫と人とが共生しづらくなる原因をこの先も増やし続けることは避けなければなりません。

 

TNR活動の推進

 人に慣れていないネコたちが特定の場所に住みつくと、近隣住民から糞尿汚染、鳴き声等々の理由で敵視され、行政に処分を依頼されることが多かったのですが、近年は行政においても殺処分を減らす取り組みを実施しており、その方法としてTNR活動を推進しています。

 このTNR活動は、現在、県内各地域で推進している「地域猫活動」につなげる活動として展開されていくことが望まれます。

 また、このTNR活動では、不妊手術を実施したことを外見で判別できるよう耳先カット(通称;桜カット)もあわせて推奨しています。

 T:Trap(捕獲)

 N:Neuter(中性化(不妊手術(避妊手術・去勢手術)))

 R:Return(元の場所に戻す)

 この事業を推進し、小さな命を大切にするためには、多くのボランティアが必要となります。